不動産の豆知識

コラム

不動産を相続放棄したい方へ!管理責任に注意!

不動産相続を放棄したい方はいらっしゃいませんか。
そんな方に特に注意してほしいのが、管理責任です。
今回は管理責任とは何かや、管理責任を負いたくない場合の対処法について紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

□管理責任とは

空き家の放置は、不審者のたまり場となったり、セキュリティや安全性、衛生面で問題が生じたりします。
そのため、所有者は空き家をきちんと管理する責任があり、これを管理責任と言います。
誰も住まない上に、売却が難しく持ってるだけで費用がかかる空き家は相続したくないでしょう。

しかし、相続を放棄しても管理責任が残る可能性があるため注意が必要です。
具体的には、被相続人が1人の場合や被相続人全員が相続を放棄した場合は管理責任が残ります。
この場合、所有権はなくても管理は続ける形となります。
所有していない分、相続税や固定資産税は払わなくて良いですが、清掃や修繕の費用は負担する必要があります。

□管理責任を負いたくない場合の対処法

相続放棄しても管理責任が残る場合があると説明しました。
しかし、管理責任は必ずしも避けられないものではありません。
ここでは管理責任を逃れる方法を紹介します。

その方法とは、相続財産管理人を選ぶことです。
空き家が住まいから離れた場所にあれば、定期的に管理するのは難しいでしょう。
相続もしたくないし、管理もしたくない場合は、相続管理人を選ぶ必要があります。
これは代わりに管理してくれる人を指し、家庭裁判所により選出されます。

相続管理人は管理をしながら、空き家を売るなどして換金します。
利益から、相続財産管理費が差し引かれ、結果的に残った金銭は国庫に帰属します。
しかし、この制度を利用するには2つのデメリットがあります。

1つ目は、費用がかかる点です。
家庭裁判所に対し予約金として50万円から100万円ほどかかります。
内訳としては、管理人の手続きにかかる費用と報酬が含まれます。
管理が終わった時に余りがあればその分が返ってきます。

さらにこの制度を弁護士や司法書士を通して利用する場合は、月に1万円から5万円かかります。
買い手が決定するまで管理人にずっと依頼するため、費用の合計はかなり高額となるでしょう。

2つ目は、「国庫に帰属」が容易でない点です。
条文によると、相続人のいない不動産は国庫に帰属すると書かれています。
ただし、大抵は不動産の状態で引き取ってくれないでしょう。
ここで帰属するのは、空き家売却で得た利益から諸費用が引かれた金銭のことだと思ってください。

デメリットを見れば、相続してしまった方が賢明だと思われるかもしれません。
もちろん好条件の物件を相続するなら、この制度を利用するより、共有名義で相続し売却した方がコスト面で良いでしょう。
共有名義にするのは、売却までのコストを複数人で負担できるからです。

しかし多くの空き家は建てられてからかなり時間が経過しています。
建てられて30年以上経つ家は、更地にして土地だけを売るのが一般的です。
また、田舎にある物件だと売れるまで時間がかかる場合があります。
維持費を無駄に費やすのは勿体ないため、専門家の意見を聞くと良いでしょう。

□まとめ

管理責任とは何か、管理責任を負いたくない場合の対処法について解説しました。
この記事で紹介したことを参考に、相続するべきかは慎重に判断しましょう。
空き家売却のことで心配事がございましたら、ぜひ当社にご相談ください。