不動産の豆知識

コラム

抵当権がついた不動産を相続したい場合の対応とは?

「実家を相続しようとしたら抵当権が付いていて、何をしたらいいか分からない」とお困りの方はいらっしゃいませんか。
今回は、抵当権付き不動産相続の対応方法を詳しく解説します。

 

 

 

 

 

 

□抵当権と不動産相続の関係

抵当権は、お金を借りる際、所有する土地や建物に担保をつける権利で、債権者は優先的に債務者が担保にした不動産から弁済を受けられます。
つまり、債務者が返済不能な場合、抵当権の債権者は、債務者が抵当権を与えた土地を競売に出してお金を回収できる仕組みです。

抵当権付きの不動産を相続する場合、被相続人の他の債権債務契約が存在します。
したがって、抵当権がついた不動産を相続する場合、抵当権をつけた時に被相続人が結んだ債務も相続の対象になることを注意しておきしょう。
しかし、抵当権によって担保とした契約が、第三者のものの場合、相続の対象にはなりません。

相続する不動産に抵当権がついている時は、まず抵当権が担保としている債務の金額、設定時期、抵当権者を不動産の登記名簿本で確認しましょう。
登記名簿本は法務局で確認できます。

抵当権がついた不動産相続には、いくつかのパターンがあります。
債務金額が、遺産より多い場合は、相続しても負債が発生するだけなので相続放棄を検討するのがおすすめです。
しかし、相続する不動産に現在住んでいるまたは、住む予定がある場合は、抵当権付きの不動産を相続して弁済していく必要があるでしょう。

遺産が債務金額より多い場合は、遺産で債務を弁済してから不動産を相続する抵当権の抹消がおすすめです。
また、抵当権つきの不動産のみが遺産で、不動産の価値が債務を上回る時は、不動産を売却して弁済できますが、不動産の価値が債務を下回る場合は売却できません。
売却代金の不足資金は、別で用意する必要があるでしょう。

住宅ローンに抵当権が設定されている場合、団体信用生命保険に加入していれば被相続人の死後債務が消滅するので、抵当権抹消登記手続きのみ行う必要があります。
第三者の債務に関する抵当権がついている場合は、その債務を相続する必要はありませんが、第三者が債務を実行しない限り抵当権は継続し、もし第三者が弁済できなければ不動産を失うリスクが高くなってしまいます。
そのため、第三者の資金力を考慮し、リスクを考えたうえで相続を検討すべきでしょう。

□法務上の抵当権がついた不動産の取り扱い

*法定相続人全員が当分にて負担する

相続の問題が発生した場合、法定相続人についてまず確認する必要があるでしょう。
法定相続人は民法上定められた相続人で、配偶者や子、孫にあたる方が相続人に該当します。
抵当権がついた不動産を相続する場合、不動産の所有者が移転するだけで、債務負担者は被相続人のままなので抵当権が担保している債務は、法定相続人で等分に分割されます。
そのため、不動産を実際に相続しない人も抵当権の債務を負担する必要があるでしょう。

*不動産を相続した相続人に負担させる

抵当権についた債務の返済義務は、法定相続人で均等に負担するのが原則ですが、不動産を実際に相続しない人にとっては負債を負うだけの状況になってしまいます。
このような状況に不満がある場合は、相続人と金融機関との協議によって不動産を相続した相続人にだけ債務を追わせる仕組みがあります。
抵当権付きの不動産相続が家族間の問題にならないために事前に話し合う必要があるでしょう。

□まとめ

今回は抵当権がついた不動産相続についてご説明しました。
不動産相続に抵当権がついている場合は、相続が複雑になるかもしれません。
ご不明点やご不安がある方は、ぜひ当社にご相談ください。